単純温泉の特徴・効能
■分類基準
単純温泉(単純泉)は環境省の基準で以下の条件を満たすものをいう。
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①溶存成分:ガス成分を除く溶存物質量が1kgあたり1,000mg未満
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②泉温:湧出時25°C以上
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③特殊成分:特定成分(硫黄・鉄・放射能など)が規定量未満であること
さらにpH値によってアルカリ性単純温泉に細分化される。
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弱アルカリ性単純泉:p H7.5以上
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アルカリ性単純泉:p H8.5以上
■主な特徴
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無色透明・無臭で刺激が少ない
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肌触りが柔らかく、赤ちゃんや高齢者も安心
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アルカリ性の場合、角質除去による美肌効果が期待できる
■効能
浴用効果
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自律神経調整:副交感神経優位化でストレス軽減
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疲労回復:浮力作用による筋肉緊張緩和
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美肌(アルカリ性):角質除去で「ツルツル肌」
飲用効果
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胃腸機能改善:粘膜への弱刺激作用
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慢性便秘緩和(環境省適応症)
■代表的な温泉地
下呂温泉(岐阜)
アルカリ性単純泉の日本三名泉、「美人の湯」
道後温泉(愛媛)
3000年歴史の名湯、夏目漱石ゆかり
箱根湯本(神奈川)
関東アクセス良好、日帰り入浴可能
十勝川温泉(北海道)
モール泉混合の「植物性温泉」
般若寺温泉(岡山)
竹林に囲まれた貸切風呂の秘湯
修善寺温泉(静岡)
独鈷の湯発祥の歴史ある温泉街
鬼怒川温泉(栃木)
関東随一の泉量を誇る
*参考:石鹸とアルカリ性の関係
石鹸で皮脂汚れが落ちる理由は、アルカリ性の作用と界面活性剤の働きが組み合わさることで、以下のメカニズムが作用するためです。
1.前提
皮脂の性質:
①皮脂は弱酸性(pH4.5-6.0)で、脂肪酸やタンパク質(角質)を含む。
②毛穴詰まりの原因となる角栓は、酸化した皮脂と角質の混合物。
アルカリ性の作用:
石鹸の弱アルカリ性(pH8~10)が酸性の皮脂を中和し、タンパク質(角質)を柔らかくする。そして古い角質を除去し、毛穴詰まりを解消。
角栓の主成分であるタンパク質を分解し、毛穴から浮き上がらせる。
2. 界面活性剤の働き
汚れの乳化:
石鹸の親油基が皮脂に吸着し、親水基が水と結合。汚れを微小な粒子に分解。
泡が物理的に汚れを包み込み、皮膚から剥がす。
3. 肌への影響
一時的なpH変化:
洗浄後、肌は一時的にアルカリ性に傾くが、アルカリ中和能により2時間以内に弱酸性に回復。
保湿対策の必要性:
皮脂除去による乾燥リスクがあるため、洗顔後は保湿必須。
4. 石鹸の泡の物理的効果
摩擦軽減:泡立てることで、皮膚への直接的な摩擦を減らし、肌荒れを防ぎます。
広範囲の洗浄:泡が細部まで行き渡り、しわや毛穴の奥の汚れを浮かせます。
注意点
乾燥対策:アルカリ性は皮脂を落としすぎるため、洗顔後は保湿必須。
高齢者の肌:皮脂分泌が少ない場合は、弱酸性石鹸や保湿剤の併用が推奨されます。
このように、石鹸は化学的・物理的な相互作用で汚れを除去し、角質ケアも行うため、身体を清潔に保てます。ただし、肌質や年齢に応じた選び方が重要です。
*市販石鹸のpH特性
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一般的な市販固形石鹸: pH9~11(アルカリ性)
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特徴: 高洗浄力だが肌への刺激が強い
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例: ミヨシ石鹸、牛乳石鹸(pH10前後)
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液体石鹸: pH6~9(弱酸性~弱アルカリ性)
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傾向: 固形石鹸よりマイルド(合成界面活性剤使用例あり)
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弱酸性石鹸: pH5~6(肌のpH4.5~6.0に近い)
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用途: 敏感肌・乾燥肌向け(例:デリケートゾーン用ソープ)
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