塩化物泉の特徴・効能
特徴
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主成分:陰イオンの塩化物イオン(Cl⁻)が主体で、ナトリウム・カルシウム・マグネシウムなどの陽イオンと結合している。
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別称:「熱の湯」(保温効果)・「傷の湯」(殺菌作用)
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肌触り:塩分が皮膚に付着し「膜」を形成。このおかげで汗の蒸発を防ぐため湯冷めしにくい。
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歴史:かつて日本最多の泉質だったが、現在は単純温泉に次いで2番目。
効能
浴用効果
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保温・血行促進:末梢循環障害・冷え性改善
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殺菌作用:切り傷・火傷の治癒促進
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美肌効果:皮膚乾燥症・アトピー性皮膚炎の緩和(塩分膜による保湿)
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リラックス効果:副交感神経優位化でストレス軽減
飲用効果
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胃腸機能改善:消化液分泌促進(萎縮性胃炎・慢性便秘に有効)
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注意点:高血圧・心臓病・腎臓病患者は禁忌(ナトリウム過多)
代表的な温泉地
和倉温泉(石川県)
七尾湾から湧く「海の温泉」で、高濃度の塩分が特徴
城崎温泉(兵庫県)
7つの外湯巡りが可能な関西の名湯
指宿温泉(鹿児島県)
砂むし温泉と組み合わせた「化石海水」由来の塩化物泉
有馬温泉(兵庫県)
金泉(鉄分を含む塩化物泉)と銀泉の二系統
※ 有馬温泉の金泉は塩化物泉要素を含むが、鉄分も含有する混合泉。
秋保温泉(宮城県)
伊達家ゆかりの「仙台の奥座敷」
登別温泉(北海道)
9種類の泉質を併せ持つが、塩化物泉も含まれる。
熱海温泉(静岡県)
日本屈指の湧出量を誇る歴史的リゾート
湯の川温泉(北海道)
函館空港至近のアクセス良好な温泉
塩原温泉(栃木県)
渓谷沿いの関東有数の湯治場
気仙沼温泉(宮城県)
海水成分に近い食塩泉で「浮遊浴」が可能