硫黄泉の特徴・効能
硫黄泉の特徴
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主成分:温泉水1kg中に総硫黄が2mg以上含まれている温泉。硫黄型(硫黄イオン主体)と硫化水素型(遊離硫化水素主体)に分類されます。
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匂い:「卵が腐ったような」独特の強い臭いが特徴です。硫化水素型は特に臭いが強くなります。
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色・外観:湯の花(硫黄粒子)が発生しやすく、白濁や黄金色の湯になることが多いです。
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刺激:酸性度が高いものや硫化水素型は刺激が強く、皮膚や粘膜に敏感な人は注意が必要です。
主な効能
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①皮膚トラブル改善
硫黄の抗菌・殺菌作用により、アトピー性皮膚炎、湿疹、ニキビなどの皮膚疾患の改善に効果が期待されます。 -
②関節痛・リウマチの緩和(補足1)
炎症を抑える作用があり、関節痛やリウマチの痛みを和らげます。 -
③血行促進・代謝向上
血行が良くなり、新陳代謝が促進されます。 -
④ストレス解消・リラックス効果
自律神経のバランスが整い、心身のリラックスやストレス緩和に役立ちます。 -
⑤美肌効果
特にアルカリ性硫黄泉に関しては古い角質を溶かし、肌を滑らかにする効果もあります。
*補足1について
関節リウマチの患者の方は、毛髪や爪の硫黄含有量が特に減少した硫黄欠乏がよくみられる。これらのことから、関節 ・ 筋肉などの運動器のリウマチ性疾患に硫黄泉療が補充療法として効果があるといわれている (神経痛 ・ 筋肉痛 ・ 関節痛 ・ 運動麻痺 ・ 関節のこわばりなどに効果)。
[出典]新潟・月岡温泉 自家源泉の宿 白玉の湯 泉慶公式HP
注意点
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湯あたり:刺激が強いため、体調不良や体力低下時、高齢者、肌の弱い人は注意が必要です。
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硫化水素ガス:硫化水素型では高濃度のガスが発生することがあり、換気不良時の吸引に注意が必要です。
硫黄泉の代表的な温泉地
草津温泉(群馬県)
日本三名泉のひとつ。強酸性の硫黄泉が湯畑から大量に湧出し、温泉街のシンボルとなっている。
酸ヶ湯温泉(青森県)
八甲田山麓の湯治場。巨大な混浴千人風呂と強酸性の硫黄泉が有名。
高湯温泉(福島県)
「全国一の有効温泉」と評された高濃度硫黄泉。白濁の湯が特徴。
月岡温泉(新潟県)
エメラルドグリーンの硫黄泉で「美人の湯」「不老長寿の湯」として人気。
登別温泉(北海道)
9種類の泉質が湧き出す多泉質温泉地。硫黄泉も有名。
黒川温泉(熊本県)
阿蘇外輪山の山間に広がる秘湯温泉郷。硫黄泉を含む。
鳴子温泉(宮城県)
多彩な泉質が楽しめる温泉郷。硫黄泉も湧出。
雲仙温泉(長崎県)
雲仙地獄で有名。強酸性の硫黄泉が自噴。
後生掛温泉(秋田県)
十和田八幡平国立公園内の一軒宿。日本一の自噴量を誇る硫黄泉。
万座温泉(群馬県)
日本で最も硫黄濃度が高い温泉地のひとつ。
■参考:硫黄泉の湯の色ごとの温泉地の分類
硫黄泉は、成分や湧出条件によって「乳白色(白濁)」「エメラルドグリーン(緑色)」「無色透明」など多彩な色合いを見せます。それぞれの色ごとに代表的な温泉地を挙げます。
前述のように硫黄泉は硫黄型と硫化水素型に類別され、硫黄型がエメラルドグリーン、硫化水素型が乳白色というように色に違いが出ます。
[1]乳白色(白濁)の硫黄泉
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草津温泉(群馬県)
強酸性の硫黄泉で、白濁した湯が有名。湯畑が見どころ。 -
高湯温泉(福島県)
高濃度の硫黄泉で、湯の花が多く白濁した湯が特徴。 -
万座温泉(群馬県)
国内屈指の硫黄濃度を誇り、白濁した湯が湧出。
[2]エメラルドグリーン(緑色)の硫黄泉
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月岡温泉(新潟県)
全国屈指の硫黄含有量を誇り、美しいエメラルドグリーンの湯が特徴。 -
吹上温泉 新湯温泉旅館(鹿児島県)
透明感あるエメラルドグリーンの湯色が特徴。 -
国見温泉 石塚旅館(岩手県)
鮮烈な黄緑色の硫黄泉が有名。 -
奥日光湯元温泉(栃木県)
湯乃湖荘などで、エメラルドグリーンの源泉を楽しめます。泉温や気象条件により色合いが変化します。 -
雌阿寒温泉 山の宿 野中温泉(北海道)
北海道の秘境、雌阿寒岳のふもとに位置。緑色の硫黄泉が楽しめる。 -
塩原元湯温泉 元泉館(栃木県)
栃木県那須塩原市。珍しい緑の硫黄泉を熱め・ぬるめで楽しめる。 -
箱根芦之湯温泉 松坂屋本店(神奈川県)
薄緑のアルカリ硫黄泉が特徴。
[3]無色透明の硫黄泉
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塩別温泉 塩別つるつる温泉(北海道北見市)
アルカリ性単純硫黄泉で、無色透明の湯が楽しめる。 -
中山平温泉 うなぎ湯の宿 琢琇(宮城県大崎市)
マイルドな無色透明の硫黄泉。 -
椿温泉 椿はなの湯(和歌山県白浜町)
アルカリ性単純硫黄泉で、無色透明の湯。