大山祇神社

 
主祭神は「大山積大神(おおやまつみのおおかみ・大山祇神)」で、日本神話に登場する山の神です。大山積大神は山の神であると同時に、海や農業、武運、航海安全の守護神としても信仰されています。
大三島に大山祇神社は鎮座しています。大三島は愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶしまなみ海道の中心に位置しています。ここは、 愛媛県の最北端であるとともに、瀬戸内海のほぼ中央にあります。

歴史

  • 創建は約2,600年前とも伝えられ、社伝によれば大山積大神の子孫・小千命(おちのみこと)が大三島を神の島と定め、祖神を祀ったことが始まりとされます。

  • 古代には「御島」と呼ばれ、神の島として崇められてきました。

  • 伊予国一宮となり、平安時代には“日本総鎮守”の称号を授けられ、全国の山祇神社・三島神社の総本社となりました。

  • 村上水軍や河野氏など、瀬戸内海の武将たちも信仰し、武運や海上交通の安全を祈願してきました。

御神木

本殿正面にそびえる御神木は「小千命(おちのみこと)御手植の楠」と呼ばれ、大山積大神の子孫である「小千命」によって植えられたと伝えられています。樹齢は2600年あまりにもなります。

大山積大神(おおやまつみのおおかみ)とは

  • 大山積大神は「山の神」の総元締であり、日本神話ではイザナギとイザナミの間に生まれた神で、山の神として広く信仰されています。

  • 山の神であると同時に、大海原や渡航、航海の守護神としても崇められています。

  • 農業、林業、鉱山、酒造、漁業、商業など幅広い分野の守護神であり、山や自然の恵みをもたらす神として人々に親しまれてきました。

  • 娘に木花咲耶姫(富士山の神)や磐長姫がいることでも有名です。

  • 瀬戸内海の水軍や武士たちからは、武運や海上安全の神としても篤く信仰され、多くの武具や刀剣が奉納されています。

特徴

  • 全国約1万社の山祇神社・三島神社の総本社。

  • 「日本総鎮守」とも呼ばれ、日本全国の氏神的存在。

  • 国の重要文化財に指定されている本殿および拝殿。本殿は三間社流造り(さんげんしゃながれづくり)、拝殿は切妻造り(きりづまづくり)。屋根はともに檜皮葺き。本殿・拝殿ともに室町初期に再建。

見どころ

  • 樹齢2,600年超の御神木である「小千命御手植の楠」などの国指定天然記念物のクスノキ群。

  • 重要文化財の本殿・拝殿・宝篋印塔。

  • 国宝や重要文化財を収蔵する宝物館(武具や甲冑などが有名)。

  • 再建された高さ12mの総門や、昭和の雰囲気を残す参道。

宝物館(国宝館・紫陽殿)について

  • 全国の国宝・重要文化財指定の武具類の約8割が保存・展示されており、甲冑の保存数は日本一。そのため、大山祇神社は「国宝の島」とも呼ばれるほどです。

  • 代表的な展示品には、斉明天皇奉納の「禽獣葡萄鏡」(国宝)、源義経奉納「赤絲威鎧大袖付」(国宝)、河野通信奉納「紺絲威鎧兜・大袖付」(国宝)、平重盛奉納「螺鈿飾太刀」(重要文化財)などがあります。

  • 源頼朝や源義経、村上海賊など歴史上の人物ゆかりの武具や刀剣も多数。